自分を殺したまま生きるのは辛い

中途採用で今の会社に入社して、半年が経つ。刺激こそないものの、何の変哲もないOLといったくくりで働くのはずっと憧れていたので、良かったのではと思う。

大学こそ卒業しているものの、私は底辺職といったくくりの仕事しか経験がなかった。

高校の頃は、激安ファミレスで働いていてトロくて店長に氏ねとか言われてたし、派遣に登録して工場で働いてたりで環境は良くなかった。ひたすらシール貼ったり、雑貨の仕分けだとか、やりがいは皆無で、時間の経過が遅かった。ただ漠然と、こんなことしながら生きていたくないし、大人になりたくないな、って思っていた。JKブランドを生かせる生活とは真逆の暗黒時代だった。JKだからといって、ちやほやされた記憶があまりにない。(まあ顔面のレベルだとかも原因の一つだろうけry)だから私はJKブランドを生かしているガキを見ると受験失敗してバカな男のガキでも孕めカスと思ってしまう。(しかしそんな考えとは裏腹に、そういうJKに限って変な所は器用だから、バカ底辺女子大しか受からなくても、顔面採用で良い会社に入社して、1~3年で適当な男見つけてデキ婚して幸せに暮らすのでしょうね。)

馬鹿すぎて日大すら推薦で行けないかもしれないと面談で言われたとき、父親は高卒で働けと言っていたし、母親はヒスっていた。高校は、何も楽しさを見出せなかった。友達はいないし勉強も出来ないなんて、私はどうしてこんなに不幸で、スペックが低いんだと嘆いた。まあ1年間12時間とか勉強して結局日大レベル()は通ったからまあいっか……。女が学歴高くてもプライド高そうに見られそうだし、お手軽な日駒低学歴で別に良し。

大学の頃は、開放的になったその反動でか、オヤジビジネスしかしていない。(ガールズバー、キャバクラ、JKリフレ、まあなんでもやった。風俗まではやらない、と自分にルールを作って。)

そもそも履歴書というものを書いたことがないし、いや、ドラッグストアは面接したけど、髪色をグタグタ言われて落ちた記憶が……。しかしオヤジビジネスは割が良かったし、月収は今のOLの2~3倍だったし(福利厚生はないけど)、想像以上に、辛いとは思わなかった。あーこんなに簡単に適当でいいんかい?みたいな。そんなビジネスに大金費やすオヤジが少なくはないことに驚きを隠せなかったけれども、まあ貴重な女の若い時期を提供しているんだから別に良いよね、と。経済の循環って、大切。病んでる女友達ばかり出来た記憶があるけれども。

ただ思ったのは、オヤジは若い女には優しいよね、ってこと。救われてきたことは、多々あった。たいして可愛くなくても、化粧と愛嬌と年齢で、だいぶカバーできる。いわゆる大学デビューだったけれども、コミュ障で人と話すのが苦手だった私が今の会社では世渡り上手(お世辞だろうけど)とまで言われるようになったのだから、まあやって後悔はなかったし、良い人間観察になった。

しかしその頃の経験が故に、私は、オヤジの奢り行く高級店よりも、年下の男の子と割り勘でチェーン店居酒屋に行くほうが何倍も楽しく感じられるようになったのだ。オヤジの自慢話を聞き流しつつ、すごいですねーとか思ってもいないことを言いながら、何万もの会計でカード出されてドヤられるのに、喜びを何も見出せなかった。便になって出て行くだけの食い物に、数万費やすのもなあと思ったし、オヤジと話すのに雰囲気もクソもない。どんなに良い物を食べても、こんなにも気を使うんだったら、家で蒙古タンメン中本のカップ麺をすすらせてくれ、と声を大にして言いたかった。

私は、年下で、草食系で、不器用で、可愛らしい、浮世離れしていない、すれていない異性といることに安心を抱く類のアラサーになっていた。自分が薄汚れているから、真逆な人間を潜在的に選んでいるのかもしれない。自分が処女だった頃は、女慣れしているチャラ男といた方が楽しかったけれども、そういうのは、気づいたら終わっていた。汚れてしまったのが、自分の方だったからだ。もしかしたら、自分にないものを異性に求めるのではないだろうか。まあ当たり前すぎる現象だとは思う。チャラ男が清楚系が好きだったり、ガリ男がぽっちゃりが好きだったり……。一概には言えないし、好みはそれぞれなのだろうけれども、そういった傾向があるようには思える。

 ところで、タイトルが何故自分を殺したまま生きるのは辛い、にしたのか。

私は、どの仕事をしていても、しっくりくる何かを見つけることが出来ない。見つけることが出来ないまま、特に大きな何かをも出来ず、ただ漠然と時間が流れていく。仕事なんてお金をもらってるんだから、何かを我慢する、というのは勿論当たり前だと踏まえている。それでも、適合しきれない何かを抱きながら、所属している気がする。オヤジに媚売って、若い男には媚売らないで、同性の社員とかには積極的にコミュニケーションを取るなど、居やすいように、必要最低限のことはしているつもりだ。それなのに何故だろう。

自分を殺さないで済む仕事は何なのだろう。ただOLは恵まれすぎている、と自負しているからまだ辞めない。刺激がなくても、楽しくなくても、休日を充実させれば良いだけの話だ。忙しすぎて身体壊すよりかは、ずっとマシな生活だ。辞めて新しく何かを見出せるスキルは、何もない。大学出てフリーターやってた半年間の居にくくさ、やりづらさ、肩身の狭さ、もう味わいたくない。やりたい何かがなくて空っぽな私には、その生活に、楽しさも自由もくそもなかった。そもそも、向いていることが少なすぎる。オヤジビジネスは年齢的にまだいけるだろうけれども今更痛いから……。お金以外に何もないしね。かといって結婚に何かを見出せる気質ではないだろう。一人の人間にお互いが裏切ることなく、献身的に尽くすことなど可能だろうか。男性は、美しい異性がまたがってきたら黙ってハメるだろう。そしてその逆だって考えられる。

 妥協といった言葉を、身分相応の意味を、知りながら生きていくことが必要とされていくのだろう。