奇妙な夢

死んだセフレが夢に出てきた。享年26歳なんて悲しすぎる。

倒れてから亡くなるまで2年半、余命宣告されてから亡くなるまで2年だったっけ。健康に気を使って炊いてくれた雑穀米食べなくて本当にゴメン。私だけ生きて結婚して子供まで作って病んでたのが嘘みたいに幸せに暮らしてゴメンね、また会いたいな。生命線短いけど生命力強いのかな。夢に出てくる相手は自分を想っているって本当だろうか。テレパシー?偶然?ただの自意識過剰かな。夢に出てくる異性ランキング3位に入るのはもちろんみんな好きだった人だけど、恋愛的な好きだったり人として好きだったり、そもそも好きってなんだっけ。気が多い女か?単純に、生きてきた中で印象的で忘れられない人なのだろうか。不思議。みんな良い人だったね、ちゃんちゃんで終わって目は覚めるけど結局結婚した夫が1番良い人だよね、で解決する。戻りたい過去もないし今が1番断トツでサイコー!なら何故夢に彼が?もう二度と届かないから?記憶が26でストップされている。

ミィちゃんの仏壇の写真が朝起きるといつもずれてる。だから私は直すし、水を変えるのはただの日課になってしまった。夫は写真を触っていないし、だったらどうして。写真がずれていてもずれてなくても忘れることはないのにね。

誰かが亡くなるってどうしてこんなに悲しいんだろう。超絶幸せ!人生最高!ってなっても亡くなった人を思うと途端に苦しくなる。自分だけ幸せなのが申し訳ない。彼は脳腫瘍にならなければ生きていたし、ネコのミィちゃんも腎臓が悪くなるのがもっと早く分かっていたら亡くならなかった。残された人間はずっと引きずりながら生きていくしかない。忘れることは不可能で、心の中で割り切ってやりすごすしかない。

私の今の子宮は空っぽで、妊娠していた頃に何千倍もの大きさに膨らんだ子宮は、産後元に戻ってしまった。息子はお腹の中でずっと一緒だった、なのにもう今では空。何もない。生殖能力はまだあるはず、そう思いたい、なのに。

人から親切にされるようになった。20代前半の頃は触られたり酔っ払いに絡まれたりした電車で。ベビーカーは幅を取るから、もっと邪険にされると思ったのに人から優しくしてもらえる。今まで経験したことのない優しさで、泣きたくなった。私単体が存在しても何もないけど、生まれて間もない子供がいるだけでこんなにも世界は優しい。嬉しいし驚きもあったし、加害されると思ったのに結果はその逆で、世界が眩しく見えた。ずっと卑屈に生きてきたのに、これからはもっと前向きに生きていいと思う。嫌なことがあったらその時に考えたらいいだけで。子供が好きなおじいさんおばあさんも、エレベーターがなくて一人でベビーカーを階段で運んでいたら手伝ってくれた人もありがとう。他にも嬉しいことが沢山あった。

空になった子宮がまた膨らんで、生命が宿る日が来ることも、亡くなった彼とネコにまた会える日が来ることも、相反する両者と巡り会える日が来ることが、今から楽しみで仕方がない。